絶縁抵抗

絶縁抵抗とは、電路の漏れ電流を測定した値になります。

絶縁抵抗が大きければ電流の漏れは少ないため、絶縁性能は良いという事になります。

反対に小さい場合は、電流が漏れている可能性があるという事になります。

 

判断基準は「電気設備技術基準とその解釈」の規定により、

【低圧の電路の絶縁性能】

第58条 電気使用場所における使用電圧が低圧の電路の電線相互間及び電路と大地との間の絶縁抵抗は、開閉器又は過電流遮断器で区切ることのできる電路ごとに、次の表の左欄に掲げる電路の使用電圧の区分に応じ、それぞれ同表の右欄に掲げる値以上でなければならない。

 

電路の使用電圧の区分 絶縁抵抗値
300〔V〕以下 

対地電圧(接地式電路においては電線と大地の間の電圧、非接地電路においえては電線間の電圧を言う。以下同じ)が150〔V〕以下の場合。

0.1〔MΩ〕
その他の場合 0.2〔MΩ〕
300〔V〕を超えるもの 0.4〔MΩ〕

となります。

つまり、100〔V〕の回路では0.1〔MΩ〕以上、200〔V〕の回路では0.2〔MΩ〕以上、400〔V〕の回路では0.4〔MΩ〕以上であれば電気を使用しても大丈夫という事になります。

通常の家庭で使用する単相3線式は100Vと200Vの両方を使える方式ですが、対地電圧は100〔V〕になります。

 

なお、この値が何を意味しているかが重要になります。

オームの法則(V/R=I)に当てはめた場合、M(メガ)は10⁶ですので・・・

 

100/100000=0.001

200/200000=0.001

400/400000=0.001

 

つまり、全てが0.001〔A〕=1〔mA〕の電流値となり、漏れ電流が1〔mA〕以下であればOKという事になります。

 

ここまでが規定であり、実際の現場で測定する絶縁抵抗値は異なります。

新築の住宅であれば、絶縁抵抗値は100〔MΩ〕を超えており、基準である0.1〔MΩ〕をはるかに上回ります。

新築の場合は電線も新品を使用しますし、電流はほとんど漏れていない危険の少ない状態です。

この場合には、0.1〔MΩ〕の基準を超えているかと同時に、電路の電線に異常が無いかを確認する事が目的となります。

絶縁抵抗が少ない値の場合、電線が傷ついている場合や少々圧力が加わっている事が考えられるため、電線の確認や補修が必要となります。